Friday, November 16, 2007

奈良小1女児誘拐殺人から3年 両親が手記

奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年だった有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐され殺害された事件から17日で3年を迎えるのを前に、楓ちゃんの父、茂樹さんと母、江利さんが16日、手記を発表した。「私たちはいまだあの日から時間が止まったままです」などと痛切な心情をつづっている。また、同校の田中弥彦校長が同日、記者会見し、「子供の安全を守る取り組みに終わりはない」と改めて決意を語った。

 同校ではこの日、約30分にわたって「命を考える集会」を開き、全校児童が黙とう。田中校長が子供たちに命の大切さを訴えた。また、各学級で「命」をテーマにした授業を行い、楓ちゃんと同じ4年生の学級では、折り鶴を並べて花を作った。

 会見で田中校長は「われわれにとって、事件は終わることのないもの」と述べるとともに、「子供の安全をめぐる情勢は危機的だととらえている。1人の大切な命を失った重さを考えると、関係機関と連携を強めて取り組んでいかなければならない」と話した。

 同校では、楓ちゃんの使っていた机やいすが現在も校長室で大切に保管されており、机の上には花や折り鶴が絶えないという。また、校長室前の廊下には、楓ちゃんの絵や詩が展示されている。

■有山楓ちゃんの両親の手記(全文)

 あの忘れられない悲しい出来事から3年がたちます。妹は「楓ちゃん帰ってきたら"大きくなったね"と頭をなでてくれるかな」「楓ちゃんと一緒に遊びたいな」と言います。楓との思い出を毎日のように語ってきます。3年の月日がたちましたが、私たちはいまだあの日から時間が止まったままです。

 私たち家族の幸せを奪った小林死刑囚は、控訴取り下げ無効の申し立てを行うなど反省もなく、ただ死刑という恐怖から逃れたいとしか思えません。今も私たち家族を苦しめる小林死刑囚を決して許せません。どこまで私たち家族を苦しめるのでしょうか。

 今も地域による子供たちの見守り活動や防犯パトロールなどが各地で広がっています。それでも子供が被害に遭う事件が後を絶たないことはとても心苦しい思いでいます。

 楓が被害に遭ったことを忘れないでください。わずか7年で夢や希望を奪われたことを忘れないでください。地域・親・学校・警察・行政がお互い協力し合い、子供たちの笑顔のあふれる、そして二度とあのような悲しい事件が起きない「安全・安心」な社会になることを心より願います。
有山茂樹
江利

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