Tuesday, November 13, 2007

国語力の衰退で日本は沈没?

OECD(経済協力開発機構)の行ったPISAという国際間学力テストで、文章を正しく読む力である読解力の点数が2000年のテストよりも2003年のテストで大幅に低下した。ただ、現在の受け身型の国語教育と他の国の国語教育には内容の違いが見られた。まずPISAの読解力問題と日本の国語教育の違いは、以下の七つにしぼることができる。


1、実社会で直面する、生きるために必要不可欠な実用的課題が問題対象になる。

2、通常の文章は6割に過ぎず、実用的な図表・地図などが4割を占める。

3、国語だけでなく、理科や社会に関する幅広い問題が含まれる。

4、問題形式は、自由記述形式が4割で、自由記述問題の占める割合がかなり高い。

5、読んだことについて、「自分の意見を表現する」ことが求められる。日本の国語問題のように選択問題は少なく、自分で考える力が求められる。

6、本文の内容や文体について「評価したり、批判したりすること」が求められる。

7、意見を書くときには、「課題文に書かれたことを根拠にすること」が厳しく求められる。

要するに記述問題でも、受験テクニックで使う本文からの抜き出し解答はペケになる。記述問題の正答は、小論文の書き方を知らないと採点対象にもならない。それと、論理力はかなり高度なものを求められているようだ。つまり、相手にわかるように文章を書けるかどうかというのがポイント。そのためには、厳密な精読力が求められると言えそうだ。他者にわかるように説明する力が総合的には求められていると私は思う。

PISAの読解力の定義は、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、(効果的に)社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」である…という。あと、特筆すべき点は、高校生では記述問題の正答率はOECD平均より高い。しかし、無回答率も高く、この辺が問題のようである。

これは教育格差問題と連動していると思う。できる子とできない子の差が激しい国は日本だけとも言える。今後のグローバリズム化を見据えると、英語教育ではなく国語教育に力を入れなければ、どんどん子供たちの学力が下がっていき、日本は衰退の一途を辿ることになってしまいそうだ。

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